2010年 SAPPORO未来JAZZ ライブレポート
2010年4月17日(土) 
4月18日(日)
箭原 顕 (pf) MIZUHO (vo) 松田 宮佳 (vo) 他 ジェイラ・イルング (perc)

OPENNING ACTのAfrican Percussion Unitesに引き続き、Ken Yahara Chorus Projectが登場。S.Wonderの"I wish"が始まると会場の空気が変わった。約20名でのコーラスは迫力もさることながら、全員が一体となったヴォーカルマシーンのような響きだった。ちょっとミュージカル仕立ての「ミニー・ザ・ムーチャ」もたいへん楽しく、ラストの「聖者の行進」は歌いながら退場するという演出付き。
歌を聴くだけでなく、観る楽しさも教えてくれた素晴らしい内容だった。

1)I wish 2)I got rhythm 3)I need somebody to love 4)ミニー・ザ・ムーチャ 5)聖者の行進
江川美喜夫(tp) 厚木正秋(pf) 重松忠男(b)宇野修(ds)

江川氏のマイルドなトランペットが実に心地よかった。特に、サンバ・デ・マールは哀愁の漂う見事な演奏だった。全体的に円熟さに溢れる落ち着いたライブで、貫禄すら感じた。今後も是非聞かせてほしい。

1)Candy 2)朝日の如くさわやかに 3)サンバ・デ・マール
4)When It's Sleepy Time Down South 5)酒とバラの日々
秋元恵理子トリオ / 秋元恵理子(pf) 釜鈴徹(b) 黒田佳広(ds) 

全てオリジナルで演奏。内容も見事。スゥインギーでブルージな曲からちょっとポップで楽しい曲、それから日本のオールディズのアレンジと幅広い選曲で楽しませてくれた。特にラストの曲では、グループパフォーマンスの高さを感じた。CD制作後、初ライブとのこと。今後の活躍に期待したい。

1)ルート230 2)Play it by ear 3)ストロベリー・パラダイス 4)最上川舟歌
土屋涼子(as) 蛇池雅人(as) 齋藤寛子(ts) 岩佐怜依(ts) 鳴海あかね(bs)
福島誠(p) 柳真也(b) 宇野修(ds)

蛇池雅人(as)氏が率いるたいへん珍しいサックスアンサンブルのユニット。ちょっと懐かしさと豪華さを感じた。サックスのメンバーは若手が中心。今後の活躍が期待される。こうしたユニットは選曲や練習の難しさもあると思うが、年に数回は定期的に聞きたい。

1)グルーブ・ブルース 2)フォア 3)Just Friend 4)枯葉
5)マーマ・デューク 6)Body and Soul 7)It's allright with me
Mizuho(vo)、 安斎亨(pf)、飯田雅春(b)

ヴォーカルの魅力に溢れたステージだった。特に日本語で歌うことで、曲に新たな命が芽生えたように感じた。声にも深みや艶があり、これからの作品にも興味が持てる。大いに期待したい。

1)WOMEN BE WISE 2)コルコバード 3)ワルツ・フォー・ディビー
4)翼 5)Dream 6)Over the rainbow 7)SPAIN
寺西幸子(pf) 藤田圭一郎(b) 佐藤裕一(ds)

北海道を代表するフュージョングループ。演奏の素晴らしさは言うまでもないが、このグループは3人が常に対等であり、それぞれが作曲した曲を全員がその優れた演奏技術で再生することで、曲が鮮麗化されていく素晴らしいグループ。来月発表されるアルバムが待ち遠しい。

1)ノー・リーズン 2)しのび 3)噴火実験組曲 4)アンダルシア
5)ノーチェ・クバーナ
菅原玄生、深瀬未来(as) 矢田渓佑、山本彩乃(ts)
横山あみ、加渡佑輔(tp)長尾和磨、駒井理紅、山田千尋
田代萌里(tb) 鈴木なな、室本光貴(b) 畠山葉瑠(pf)
酒本ひろつぐ(director)

酒本ひろつぐ(tb)氏が指導しているSCJのジュニアジャズオーケストラの選抜メンバーによる演奏。その演奏内容は大人顔負けの優れたものだった。ラストには各パーツを指導しているインストラクターも混じっての演奏になった。今後こうした若者の活躍が期待される。

1)Kicks 2)Swing Shift 3)Memories of you 4)In a sentimental mood
5)I'll be there 6)Midnight Pasage 7)My favarite things 8)April in Paris
プログラムの時間調整に、板谷氏がラグタイムピアノを披露。予定外の演奏に、拍手喝采。是非、次の機会にまた聴きたいものです。

曲は、"Grandpa's Spells"
阿部 裕一 (tp) 酒本 ひろつぐ (tb) 舛田 敏英 (cl) 板谷 大 (pf)
滝川 裕三 (bjo) 豊田 健 (b) ジョニー黒田 (ds)

とにかく楽しいステージだった。阿部氏のMCもたいへん愉快で、演奏もデキシーらしい軽快な曲が多く、小さな子供が曲に合わせて飛び跳ねていたのが印象的だった。北海道にこうしたグループがあるのはたいへん心強い。
ラストは、Honey Veeを交えて、「聖者の行進」が演奏され大いに盛り上がった。また是非聞きたい。
飛澤 良一 (gt) 児玉 しほ (vo)

昨年とは違いボサノバのスタンダードの演奏は、「イパネマの娘」だけだったが、
まだ余り知られていない素晴らしい曲を聞かせてくれた。爽やかなボーカルと軽快なボサノバギターの響きが暑くなった会場に清涼感を与えてくれた。
是非、これからも新しい曲や知られざる名曲を聞かせてほしい。
市川芳弘(pf) 菅生泰礼(tp) 藤田圭一郎(b) 瀧村正樹(conga)
佐藤裕一(ds) 菅原良太(ts)

ラテンのスタンダードをいろいろと披露した。力強いラテンリズムにサックスとトランペットがラテン独特のメロディーを奏で、ピアノが伴奏を後押しするという典型的なスタイルで演奏した。どの曲も踊りだしたくなるようなリズムとメロディーがとても印象的で、これから夏に向けてまた聞きたい熱いグループだった。
山田敏昭(pf) 粟谷巧(b) 益子淳平(ds)

2日間のSapporo未来JAZZのしめくくりは、山田敏昭トリオ。
ドライブの効いたグルービーな演奏には、ただただ感動。バラードの"neaness of you"にもうっとり。メリハリのある山田ワールドに惹きこまれました。
またベースの粟谷巧氏の成長も感激でした。益子順平氏のドラムワークも忠実で見事に演奏を盛り上げていた。最高のライブでSapporo未来JAZZが締め括られた。

最後に実行委員からそれぞれ挨拶があり、2日間のSAPPORO未来JAZZに幕が下ろされました。来年も大いに期待したいです。

またこのSPPORO未来JAZZは、札幌の音楽文化として大いに誇れるものだと思います。

実行委員の皆さん、ほんとうにお疲れ様でした。またありがとうございました。
休憩時間、売店には大勢のお客さんが集まった
金野 俊秀(b) 工藤 拓人(pf/key) 蛇池 雅人(as) 佐藤 裕一(ds)

大半が金野 俊秀(b) のオリジナル曲だった。その現代的でアグレッシブルな演奏は聴き応え充分だった。単にフュージョンバンドというよりは、独特な音楽性・創造性を持つオリジナルグループというほうが相応しいかもしれない。1曲1曲を演奏者全員が色付けして自分の表現をしている。札幌では新し感覚のグループだと思った。今後の活動に注目したい。
板谷 大 (pf) 阿部 裕一 (tp) 菅生 泰礼 (tp) 酒本 ひろつぐ (tb)
蛇池 雅人 (as)山鹿 俊孝 (ts) 菅原 良太 (bs) 豊田 健 (b) 黒田 佳広(ds)

板谷氏が率いるユニット。スタンダードを見事な演奏で聞かせてくれた。コンセプトとしては、リーダークラスである中堅プレーヤーの原点回帰に近いような感じを受けた。こうしたユニットがまた新しい音楽に発展していくのではと思う。これから大いに応援したい。
箭原顕(vo) 松田宮佳(vo) Mizuho(vo) 城下孝(guest vo)
須山恭一(ts)  板谷大(pf) 柳真也(b) 舘山健二(ds)

マンハッタン・トランスファーで有名な"That cat is high"から始まり、見事なボーカル・コーラスで聞かせてくれた。途中、ゲストの城下氏が参加し、いっそう楽しいステージになった。(もしかしたらSapporo Transfer!?)
伴奏の須山恭一(ts) カルテットも素晴らしい演奏を披露してくれた。
江川美喜夫 、佐佐木秀人、白田賢哉、後藤繁、淡路泰平(tp)
柳田雅司、杉澤康太、菊地智人、渡邉麻子、中道陽文(tb)
佐々木明治、寺井理奈、石井深雪、丹保勉、鷲頭廣一(sax)
谷橋政彦(ds) 橋本真秀(gt) 伊藤未央(b) 三上由樹子(pf)NAOKO(vo) 

江川さんが率いる北海道を代表するビッグバンド。何といっても貫禄と風格がある。ソリストが見事な演奏を披露してくれた。NAOKOさんのヴォーカルも相変わらずうまい。これからも北海道のビッグバンドジャズをリードしてほしい。
ベースとPCを利用した即興演奏に、パフォーマンスが加わったステージ。
たいへん面白かった。音楽とパフォーマンスが見事に融合していた。
これはまた是非企画してほしい。
Ken Yahara Chorus Project
The Jass Band
飯田雅春(b) + 田仲ハル(ダンサー)
蛇池雅人Octet
秋元恵理子トリオ
Mizuho with 安斎亨(pf)、飯田雅春(b)
Latte
Dream Factory Jazz Orchestra
北海道ジュニアジャズワークショップ
Honey Vee
Understream Nonet
Vital Trial 
Copa Dois
板谷大のラグタイムピアノ
ジョニー黒田とディキシープリンス
この2日間、充実した音楽を体感できました。また札幌に素晴らしい音楽文化があることにも改めて感動しました。これからもこうしたライブ活動を続けてほしいと強く願います。また微力ながらも応援させて頂きます。
デスカルガ・コラソネス
山田敏昭トリオ
開場を待つ来場者
会場内の様子